4月某日、映画を観ました。
・
MOVIX 昭島
・お勧め度
「
『コサキン』が好きな人」 星5つ
「send me to the moon !!」
なんとも爆裂にくだらない、お馬鹿な映画なんだろうか。
中身やメッセージなんてものはなんにもなく、シモネタばりばりのどたばた劇で、
テンションのあまりの高さと、ミュージカルに、基本的にはついていけないのだが、
ところどころのやりとりや、表情、フレーズに、
「ばっかでぇー」と思わず口に出して言ってしまうほど、ひきつけられてしまう。
この感じは、TBSの深夜ラジオ番組
『コサキン』を聴いてる時と全く同じ感覚なのだ。
関根勤と小堺一機がパーソナリティのディープでお馬鹿な番組だ。
関根勤は、父親にしたい芸能人に選らばれたりもするが、
この番組を聴けば、そんなのモノは3分と掛からず木っ端微塵に砕けるだろう。
この作品とその番組で共通するのは、
思わず眉間に皺がよってしまう下品さと、
瞬間的に沸騰する笑いと、
「ばっかっでぇー、くだらねーー、駄目だ、こいつら」と思わず
突っ込みたくなるくだらなさだ。
大抵こういう作風は、風刺が込められていて、
(「ウメコが2人」の『君側の歌』のように)
実は根底にはふつふつと流れるモノを感じさせるものだが、そんなものはない。
ショービジネスの裏側、奴隷のようなサラリーマン、老い、ゲイ、ナチス、
最悪な作品を好む観客、金持ちでナイスバディで頭の軽い女、その胸と尻を追う男。
風刺だけで本作品が出来ているといってもおかしくないのだが、
そんな事を考える方が馬鹿げている、というもの。
そんな中でストーリーの中枢である所の、
「最低の脚本」、「最低の演出家」、「最低の出演者」で作られた
『春の日のヒトラー』は、いまいちだった。
確かにヒトラーをゲイに演じさせる辺りは、
くだらねーっていえば、くだらねーけど、
あの独特な軍服の踊って笑って裏には、何十万、何百万の人が死んだ事や
強制収容所の事や、アンネの日記の事や、
アインシュタインの事や原爆の事や、、、
というのが頭を巡り、苦笑というか、なんとも笑えなかった。
笑いのツボは人それぞれで違うもので、また、食事と同様にたまには珍味を食べたくなる時もある。
くさやという干物があるが、
自分にとっては、どうしたって「くそ」の臭いにしか思えなくても、
それを美味しいと言って食べる人もいる。
笑いも人からみたら、「くそ」のようにつまらなくても、
好んで笑ってしまうモノもある。
本作品がトミー賞を史上初12部門取得したり、
初公演が約40年前に遡るほどの、人気作品というわりには、
そんなに可笑しくなかったのは、
むしろみんなとツボが違うのは自分だという事なのだろう。
それでも家路につく間中、にやにやしていたのは、
ネイサン・レインを筆頭とした役者達の熱気にやられたからだし、
85歳以上のご婦人をもってきて、
「send me to the moon !!」
と絶叫させる辺りの、理屈抜きの馬鹿っぷりに
なんだかんだいって、元気をもらったからに違いない。
そして、100名前後の席があるホールで、
2人(もう1人は見知らぬ中年男性)で映画を観れた事を、
記さずにはいられない。
ベルトを緩め、靴下脱ぎ、足を前の席に放り出し、
大声で突っ込みながら、観る映画はなんとも贅沢だった。
「MOVIX 昭島」、時間帯と作品によっては、
夢の1人での鑑賞というのが実現できるかもしれない。
また、幕が降りたらお会いしましょう。
〜物語の始まりは、日常の終わり
物語の終わりは、日常の始まり〜